2019.05.24 / トピックス

【星の和名】人々が想いを馳せた “北斗七星”古くから日本各地に伝わる星の和名とその由来をご紹介します

五藤光学研究所は、限りなく自然な星空を再現するプラネタリウムを実現することで、見た人を本物の星空へ誘う機会を提供したいと願っています。そして、自然で表情豊かな星空は人々の想像を掻き立て、星々に想いを馳せる機会となると考えています。
5月25日発売の日経サイエンス7月号の弊社広告(裏表紙)では、季節の夜空に輝く星の並びに、人々が想い描いた日本各地に伝わる「星の和名」をテーマに取り上げています。様々な呼び名で親しまれる星の和名は、その地の日々の暮らしの中から生まれており、今回は、春を代表する星の並び "北斗七星" の様々な和名の中から一部をご紹介します。

[生活用具や娯楽などに関連する呼び名]
■鍵星(カギボシ)
頭が直角に曲がった、柄がふとくて長い土蔵の大鍵に見立ています。
■つるかけ
鍋づるをかける囲炉裏の自在鉤の形をイメージしています。
■四三の星(シソウノホシ / シゾウのホシ / シジョウのホシ)
七つの星の並びを四星と三星に分け、サイコロの「四の目」と「三の目」に見立ています。また、2つのサイコロを振って四と三が出たときの目を「シソウ」と言い、それが由来となっています。

[漁業に関連する呼び名]
■舵星(カジボシ)
星の並びを和船のカジに見立てています。
■建網星(タテアミボシ)
建網とは、魚群の通路に垣網をはる漁法で、海に旗のように網を張った図形が北斗七星に似ていることから名づけられています。

[星の動きから見立てた呼び名]
■夜戻り(ヨモドリ)
秋の日没後に、北西の空に見えた北斗七星が一度沈んでから再び夜明け前に北東の空に戻ってくるように現れることから名付けられたとされています。
■鬼星さん
北極星(子の星)を食べようと追い回す鬼に見立てた呼び名です。

【第二弾】星の和名 "さそり座" はこちら
【第三弾】星の和名 "オリオン座" はこちら

【参考文献】
「日本の星 星の方言集」「日本星名辞典」 野尻抱影 著
「日本の星名事典」「天文民俗学序説-星・人・暮らし-」「星と生きる 天文民俗学の試み」 北尾浩一 著
「ふるさとの星 和名歳時記」 仙台市天文台 千田守康 著