デジタルプラネタリウム

デジタルプラネタリウムは、コンピュータから生成されたデータを元に、高精細なビデオプロジェクターにより、ドーム全天に星空や宇宙、映像などを投映するシステムです。五藤光学研究所は、1996年(平成8年)に世界で初めて3次元CGをリアルタイムにドーム全天に投映するシステムであるバーチャリウムを発表し、ドーム全天にフルカラーのデジタルプラネタリウムを実現。その後、2003年(平成15年)には並列分散処理技術※による全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」が誕生。最新のバーチャリウムXに繋がっています。

デジタルプラネタリウムには、地球上だけでなく、宇宙空間に位置する3次元の恒星データが含まれ、恒星の固有運動を±100万年の範囲で操作できたり、遥か遠い宇宙の果てまで、自由に宇宙空間を移動することができる機能が備わっています。また、アメリカ自然史博物館が制作したデータセット「Digital Univers」なども実装可能です。

今後、各研究機関などの調査、探査により、これまで見ることの出来なかった最新の宇宙がより一層明らかになることで、全天周デジタル映像システムは進化し続けます。

2003/04/21 ニュースリリース

※ 並列分散処理(へいれつぶんさんしょり、parallel distributed processing)とは、複数の分散された処理ユニットが同時並行的に情報処理を行うこと。

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命名の由来

バーチャリウム / VIRTUARIUM とは、仮想(Virtual)と、空間(Arium)を組み合わせた造語です。プラネタリウムだけでなく、様々な空間を表現する「時空を越える」映像システムとして、命名されました。

宇宙を体感するバーチャリウム

  • 3次元の星空を再現できます。
  • 固有運動を±100万年の範囲で操作出来ます。
  • 遥か遠い宇宙の果てまで、自由に宇宙空間を移動出来ます。
  • 全天フルカラーCG映像が投映でき、宇宙に飛び出たような没入感が表現出来ます。
  • 実写のフィルム映像では表現出来なかった宇宙や太古の地球など、デジタルならではの未知の世界を再現出来ます。
  • 星のモデルを変えることで、特徴を持たせた星の投映も出来ます。
  • ドーム映像としての立体視も可能です。

    関連製品ページ:立体視システム

全天周デジタル映像システム LINE UP

  • バーチャリウムⅡ

    高解像度を有するプロジェクターを用いて、大規模ドーム空間でのデジタルプラネタリウムが実現できます。

  • バーチャリウムX

    自社の光学式プラネタリウムとのハイブリッドを想定して開発されたシステムです。

  • バーチャリウムX Solo

    プロジェクター1台をドーム中心に設置する単眼式のシステムで、エアドームなどを用いた移動用プラネタリウムにも対応可能です。

導入事例

◇ バーチャリウムⅡ 多摩六都科学館

2012年7月、多摩六都科学館が「ケイロンII・ハイブリッド」となってリニューアルオープンしました。全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」は、4台の高精細プロジェクターを採用し、直径27.5mの傾斜ドームに明るく高精細な映像を実現しました。
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◇ バーチャリウムX 石川県柳田星の観察館「満天星」

2011年7月、石川県柳田星の観察館「満天星」のプラネタリウムがハイブリッド・プラネタリウムにリニューアルしました。光学式プラネタリウム「パンドラ」と全天周デジタル映像システム「バーチャリウムX」で構成され、プラネタリウムの多彩な演出が可能になりました。
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バーチャリウムX Solo 札幌市青少年科学館

2013年5月、札幌市青少年科学館に、エアドームを活用したデジタルプラネタリウムが導入されました。美しい天の川や大気モデルのシミュレーションにより美しい夕暮れ空などを再現するなど、リアルな宇宙映像の体験を様々な場所へお届けできます。