2026.08.31 /
アポロのいた月アポロのいた月アポロのいた月アポロのいた月
初めて星空を見上げた夜のことを、今でもはっきりと覚えています。
子どもの頃、祖父に手を引かれて町外れの小さな丘に登りました。
街の明かりから少し離れるだけで、空は思いがけないほど暗く、そして深く見えました。
祖父が懐中電灯を消すと、そこには言葉を失うほどの景色が広がっていたのです。
空いっぱいに散りばめられた星々。
その数に圧倒されながらも、祖父の指先が指し示す星座に耳を傾けました。
「ここが夏の大三角だよ」「あれが天の川だ」。
幼い私には神話の話も半分しか理解できなかったけれど、不思議とその瞬間の空気や光のきらめきは、胸の奥に深く刻まれました。
大人になった今、星空を見上げるたび、あの夜の感覚がよみがえります。
広大な宇宙に包まれた時の静けさ、時間が止まったような感覚。
それは「小さな自分が大きな世界とつながっている」と初めて感じた瞬間でした。
あの“はじめての星空”は、私にとってただの思い出ではありません。
生きる中で迷った時も、ふと空を見上げれば、あの夜の自分が背中を押してくれる。
星空は、私にとって人生の原点であり、これからも変わることのない心の灯りなのです。