2024.12.27 / プレスリリース

千葉市科学館のプラネタリウムがリニューアル
直径23mのドームに広がる億万の星々

株式会社五藤光学研究所(取締役社長 五藤信隆、東京都府中市)は、千葉市科学館(館長 井上厚行、千葉県千葉市)のプラネタリウムに、最新鋭の「ケイロンⅢ・ハイブリッド」を納入設置しました。同システムは、天の川を約1億個の微恒星で再現する光学式投映機「ケイロンⅢ」と、高輝度プロジェクターを採用した全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」を融合した「ハイブリッド・プラネタリウム」です。従来機よりも遥かに美しい星空を投映する光学式と、臨場感あふれるデジタル映像が全天に広がるドーム空間に生まれ変わりました。
同館のプラネタリウムは、2025 年1月2日(木)にリニューアルオープンします。

※ 投映スケジュールなどは、施設ホームページでご確認下さい。


リニューアルの詳細

[ 施設概要と経緯 ]

千葉市科学館(館長 井上厚行、千葉県千葉市)は、2007年(平成19年)に子どもから大人まで楽しめる参加体験型の科学館として開館。館内には直径23mの水平型プラネタリウム「ケイロン(五藤光学研究所製)」が設置され、都市圏で星空を鑑賞できる貴重な場所として、親しまれてきました。これまで約17年にわたり、延べ227万人以上の方々に美しい星空をお届けしてきましたが、機器の老朽化に伴い、プラネタリウムシステムを更新することになりました。

[ 更新されたシステムの特徴 ]

今回のリニューアルでは、プラネタリウムシステムが「ケイロンⅢ・ハイブリッド」に一新され、繊細で美しい光学式の星空と明るく臨場感あふれるデジタル映像が織りなす「ハイブリッド・プラネタリウム」に生まれ変わりました。なお、同館の光学式投映機「ケイロンⅢ」には、施設ロゴのイメージカラーに合わせたオリジナルデザインのカバーを採用しています。

光学式投映機「ケイロンⅢ」
「ケイロンⅢ」は、恒星球の直径を従来機「ケイロン」の70cmから48cmへとコンパクトになり、観覧者の視界を遮ることなく星空をより快適に楽しめる設計となっています。また、これまで1,000万個の恒星で描かれていた天の川は、1億個の微恒星による自然で緻密な描写へと進化し、独立した調光も可能になりました。さらに、恒星の等級差可変機能や無段階の瞬き機能により、都市部の夜空から山間部の満天の星空、季節や気候の違いによる星空の表情までもリアルに再現できます。

<主な仕様>

  • 約1億個の微恒星で描かれる高精細な天の川
  • 300以上の星雲星団、2,000以上の暗黒星雲の再現
  • 3.5等級よりも明るい約300個の恒星の固有色を忠実に再現
  • 6.5等星までの等級差を自由に調整する等級差可変機能を搭載
  • 9個の変光星を再現
  • デジタル映像との連動機能(ハイブリッド対応)

全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」
全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」は、プロジェクターに自社設計の専用レンズを装着し、直径23mのドーム全天に映像を繋ぎ目なく投映します。同館では、高精細プロジェクターを2台一組で計4台使用したデュアルプロジェクションシステムを採用することで明るさを倍増させ、色鮮やかな映像を実現しています。また、観測に基づく宇宙の最新データや高精細な地形データなどを搭載したデジタルプラネタリウム機能を有し、夕景や雲、大気の描写から、地球環境の詳細な変化、さらには遥か彼方まで広がる最新の宇宙の姿を緻密に表現することが可能です。

<主な仕様>

  • 光学式の星空を補完するデジタルプラネタリウム機能や各種シミュレーション機能
  • 高精細な地形データを実装し、千葉市上空を俯瞰しながら宇宙への視点移動、さらには138億光年の深宇宙の姿まで投映可能
  • 地表面のリアルタイム描写
  • 大地、大気などの環境データを実装

千葉市科学館

千葉市科学館は“Qiball(きぼーる)”と呼ばれる複合施設内にあります。「わくわくする体験」~日常の身近なところから科学へ~をキーコンセプトに、日常の視点で科学を捉え、子どもから大人まで楽しめる、人と人とのコミュニケーションを大切にした「人が主役」の参加体験型科学館です。
150もの体験型展示がある常設展示では、週末を中心にワークショップなどのイベントも開催。さらに、県内最大のプラネタリウムでは、天の川の構造を再現できる約1億個の高精細な星空を映し出し、全天に投映されるデジタル映像と組み合わせた多彩な番組が充実している科学館です。

※「希望のボール」を意味し、Qの丸い字形がプラネタリウムを象徴しています。

〒260-0013 千葉県千葉市中央区中央4丁目5番1号Qiball(きぼーる)内7-10階
オフィシャルHP  https://www.kagakukanQ.com/

解説

[ 株式会社五藤光学研究所(GOTO INC)]
プラネタリウム、大型映像システム、天体望遠鏡製造のトップメーカー。 特にプラネタリウムでは小型から超大型のプラネタリウムに至るまで多機種を開発し、現在では1000台を超える納入実績(累計)があります。全天周フィルム映像(アストロビジョン)や全天周デジタル映像装置(バーチャリウム)では、他社に先駆けて機器システムを開発する他、機能を活かした映像コンテンツを制作し、機器の維持管理、施設運営なども行っています。

〒183-8530 東京都府中市矢崎町四丁目16番地
オフィシャルHP  https://www.goto.co.jp/

[ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)]
株式会社五藤光学研究所が2004年に開発、提唱した新しいプラネタリウムシステムです。光学式プラネタリウムと様々な迫力ある映像を投映する全天周デジタル映像システムを融合させ、各々が常に同じ座標空間を投映できる仕組みを有するもので、日本国内に留まらず、プラネタリウム発祥の地であるドイツをはじめ、米国、欧州、中東、アジア諸国などに数多くの納入実績を誇ります。
同システムは、ドーム径に応じた各種の光学式投映機を有しており、ドーム径4mから最大50mまで幅広く対応しています。

[ ケイロンⅢ(CHIRONⅢ)]
ドーム直径16~30ⅿの中・大型ドーム向けの光学式プラネタリウム。明るくシャープな星像で、色彩豊かな自然で美しい星空を提供することができる他、約1億個の微恒星で描かれる天の川を恒星とは個別に調光できるなど、多彩な機能によって幅広い用途に応じた星空の再現ができます。「ケイロンⅢ」は、これまでに札幌市青少年科学館(北海道)、さいたま市宇宙劇場(埼玉県)、大崎生涯学習センター(宮城県)、府中市郷土の森博物館(東京都)、安城市文化センター(愛知県)、倉敷科学センター(岡山県)、さぬきこどもの国(香川県)、浜松科学館(静岡県)、三重県立みえこどもの城、北九州市科学館(福岡県)、Planetarium Śląskie Park Nauki(ポーランド)、富山市科学博物館(富山県)、東大阪市ドリーム21(大阪府)、仙台市天文台(宮城県)に納入。今後も、国内外への納入が予定されています。

※ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)、ケイロン(CHIRON)、バーチャリウム(VIRTUARIUM)は日本国内における株式会社五藤光学研究所の登録商標です。

本件に関するお問い合わせ:  株式会社五藤光学研究所 営業本部 企画営業 TEL 042-362-5366