2026.09.29 /
Episode 0:五藤信隆 株式会社五藤光学研究所 取締役社長
私が初めて望遠鏡で星を観たのは、小学校1年生の時です。
自宅の屋上には天体ドームがあり、そこに15cmの屈折望遠鏡が設置されていました。この天体ドームは、府中の製造工場で研磨したレンズの完成度を、曽祖父(五藤齊三)が自ら確認するための設備でした。夜になると府中から社員が来て、望遠鏡の設置が終わると、曽祖父はドームに上がり、夜通し天体を覗いていたのを覚えています。
そんなある夜、「お前も覗いてみるか」と誘われ、階段を上って、初めて望遠鏡のアイピースを覗きました。それが、私にとって初めての天体観望です。その時に観たのは、二重星だったと思います。青白い光が目に飛び込んできたことを、今でも覚えています。
このような環境もあり、天文に興味を持つようになりました。小学校4年生の時には、家族で訪れた蓼科で、夜になるとロッジのベランダに小型の望遠鏡を設置して、星空を見上げていました。ある夜、幸運にも快晴に恵まれ、夜も深まった頃に見上げた南天の天の川は、今でも鮮明に記憶に残っています。写真で見る天の川とは違い、裸眼ではまるで雲のように見えました。「これが天の川か!」。目の前に宇宙の大きな広がりを感じた瞬間でした。
60歳を超えた今でも、あの時に見た星空の記憶は心に残っています。これからも天の川を観る機会を作っていきたいと思っています。
五藤信隆 株式会社五藤光学研究所 取締役社長(2026年9月1日公開)