2014.07.07 / プレスリリース

約9,500個の恒星すべてに固有の色を再現新型光学式プラネタリウム「ケイロンⅢ」誕生

株式会社五藤光学研究所(取締役社長:五藤 信隆、東京都府中市)は、この度、新型の光学式プラネタリウム「ケイロンⅢ / CHIRONⅢ」を開発し、販売を開始いたします。
同機は、肉眼で見ることの出来る約9,500個の恒星すべてに固有の色を付加し、星の明るさだけでなく色彩までをも再現した世界初※の光学式プラネタリウムです。約1億個の微恒星で描かれる天の川は恒星とは個別に調光できるなど、多彩な機能によって学習からエンターテイメントまでの幅広い用途に応じた星空の再現ができます。
16~30mの中・大型ドーム向けであるにもかかわらず、恒星球の直径48cm、消費電力900Wと、従来機に比べて大幅な小型化、低消費電力化にも成功したLED光源採用のプラネタリウムです。
※ 業務用プラネタリウムにおいて (当社調べ)

光学式プラネタリウム「ケイロンⅢ」は、主恒星約9,500個全てに固有の色を付加し、自然で色彩豊かな、美しい星空を提供することができます。また、天の川は微小な星の集合として再現し、17.5等級までの約1億個の恒星によって映し出され、300以上の星雲星団、2000以上の暗黒星雲が含まれています。さらに、映し出される星空には9個の変光星が含まれており、変光の様子を忠実に再現しています。

今回開発した光学式プラネタリウム「ケイロンⅢ」は、新しいLED光源と高効率な冷却構造の開発によって光源の高輝度化、低消費電力化に成功し、新設計の投映光学系と組み合わせることで、従来機の約半分の電力で、より輝度の高い針で突いたような星空を実現しています。これまでの光学式プラネタリウムには無かった様々な調光機能を搭載し、イメージ通りの星空を再現することを可能としました。

■ ケイロンⅢの主な特徴

(1)科学的に正しく、自然な星空

  • 肉眼で見える6.55等星までの全ての恒星(約9,500個)に固有の色を付加
  • 星像は前機種より小さく、恒星をまるで本物のように光輝く点として再現
  • 300を超える星雲・星団を忠実に再現
  • 天の川に潜む2,000を超える暗黒星雲も忠実に再現

(2)思い通りの星空を再現できる充実した調光機能

  • 恒星と天の川の明るさを個別に調光
    恒星だけで星座の形を分かり易く投映し学習用途に、天の川と恒星を組み合わせ、宇宙飛行士が見るような宇宙空間を再現しエンターテイメント用途にも対応
  • 明るい星と暗い星を別々に調光
    明るい星を強調することで夕暮れ空に輝きだす星々をイメージ通りに再現、また星座を構成する恒星以外を目立たなくすることで星座の形をより判り易く表現
  • 星の色別に調光
    赤い星だけを目立つように明るくしたり、あるいは青い星だけを点灯させたりと、色の異なる星がどのように分布しているのかを表現
  • 100,000通りの星の瞬きを実装
    季節や天候など様々な要因によって異なるどんな星の瞬きも再現
  • 9個の変光星を実装
    夜空に潜む多数の変光星の中から、特徴的なもの9個を実装。日付を変化させるだけで自動的に明るさが変化

(3)大幅に小型化した恒星球

  • 恒星球の直径48cmと、従来機「ケイロン/ケイロンⅡ」に比べて体積比で約70%も小型化

(4)デジタル映像との連動(ハイブリッド対応)

  • 星座絵、星座線、流れ星など、様々なデジタル映像との合成、連動可能

解説

[ 株式会社五藤光学研究所(GOTO INC)]
株式会社五藤光学研究所(取締役社長:五藤 信隆、東京都府中市)は天文機器に関する総合メーカー。1926 年の創業時は小型天体望遠鏡を製造。1959 年には光学式プラネタリウムの開発に成功し、日本及び世界各地に同設備を納入している。2004 年からは光学式プラネタリウムと全天周デジタル映像システムを融合させた「GOTO ハイブリッド・プラネタリウムシステム」を開発し、国内外に数多くの納入実績がある。
2012年7月には、23mを超える大型ドームでは世界初となる高輝度LED光源を採用した総恒星数約1億4000万個を誇る「ケイロンⅡ」を開発し、多摩六都科学館(東京都西東京市)、長崎市科学館(長崎県長崎市)に納入した。
〒183-8530 東京都府中市矢崎町四丁目16 番地
オフィシャルHP https://www.goto.co.jp/

[光学式プラネタリウム「ケイロン/ CHIRON」]
「ケイロン」は、本物の星空の表現にこだわった次世代型プラネタリウムとして2007年に、ハイブリッド専用機として開発した最初の投映機です。本物の星空の表現にこだわり、天の川を構成する恒星や星団などを全て星で表現しています。
恒星球の名称である「ケイロン」は、ギリシア神話に登場する、半人半馬のケンタウロス族の賢者であり、神々から多くの知識や技術を伝授され、それをヘラクレスやカストルら英雄たちに伝え、教えたとされている。光学式とデジタル式が融合するハイブリッド・プラネタリウムの恒星球に相応しい名称として、半人半馬のケイロンの名前が冠せられた。

[ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)]
株式会社五藤光学研究所が開発、提唱する新しいプラネタリウムシステム。光学式プラネタリウムと様々な迫力ある映像を投映する全天周デジタル映像システムを組み合わせ、各々が常に同じ座標空間を投映できる仕組みを有するもので、日本をはじめ、インド、北米、欧州など国内外に数多くの納入実績がある。同システムは、「ケイロンⅢ」「スーパー ヘリオス」「クロノスⅡ」「パンドラ」などドーム径に応じた光学式投映機を有しており、ドーム径6mから最大50mまで幅広く対応している。

※ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)、バーチャリウム(VIRTUARIUM)、ケイロン(CHIRON)、クロノス(CHRONOS)は株式会社五藤光学研究所の登録商標です。