2015.03.23 / プレスリリース

四日市市立博物館のプラネタリウムがリニューアル「ケイロン4○1・トリプルハイブリッド」誕生

株式会社五藤光学研究所(取締役社長:五藤 信隆、東京都府中市)は、四日市市立博物館(三重県四日市市)に「ケイロン4○1(よん・まる・いち)・ハイブリッドシステム」を納入設置しました。 同システムは、高輝度LED光源を採用し、科学的に正しい星の固有色も再現する最新鋭の光学式投映機「ケイロン4○1」と、 プラネタリウムでは世界初となる8K(e-shift)プロジェクター2台による全天周デジタル映像システム「バーチャリウムII」、 さらに高輝度4Kプロジェクター3台により臨場感あふれる風景を投映する「デジタルスカイラインシステム」の3つのシステムから構築される「トリプルハイブリッド・プラネタリウム」です。
同施設は2015 年3 月21 日(土)より一般公開されています。

この度、弊社が四日市市立博物館に納入したプラネタリウムは「コズミッククルーザー」と名づけられ、弊社の最新式プラネタリウムである「ケイロン4○1」が設置されています。 「ケイロン4○1」は、弊社が昨年7月に発表した最新式の光学式プラネタリウム「ケイロンIII」をベースとして、四日市市の独自の仕様を加えたオリジナル製品として開発しました。

トリプルハイブリッド・プラネタリウムの3つの特徴

(1) 約6.55等星までの約9500個の肉眼で見える星々全てに固有の色調を再現
直径わずか48cmの恒星球で高輝度LED光源を採用。さらに、約6.55等星までの約9500個の肉眼で見える星々全てに固有の色調が再現されている。 これらは世界で初めての事例となる。また、天の川は、約18 等級までの約1 億4 千万個の恒星が科学的に正しく投映され、暗黒星雲も表現されています。

(2) プラネタリウムでは世界初となる8Kプロジェクター2台を採用
ケイロン4○1とハイブリッドシステムを構成する全天周デジタル映像システム「バーチャリウムII」は、 プラネタリウムでは世界初となる8K(e-shift)プロジェクター2台を採用し、 自社で開発・設計した高解像度対応専用レンズを装着。 ドームスクリーン上の球面に複数のプロジェクターからの映像を正確に重ね合わせることは技術的に難しく、永年培った五藤光学研究所の歪み補正技術が活かされています。

(3) 傾斜型ドームの前方に10Kの風景を投映する「デジタルスカイラインシステム」
4Kプロジェクター3台で風景を投映する「デジタルスカイラインシステム」は、傾斜型ドームの前方に横幅10000ピクセル以上の高精細な画像や動画を投映することが出来きます。 四日市コンビナートの夜景や各地の風景、観光名所など、その場に居るかのような高い臨場感で投映することができます。

その他の主な仕様

今回のリニューアルでは、プラネタリウム機器だけでなく機器更新の他にプラネタリウム室内も全面的に改修しました。 ドームスクリーンは、パネルを重ね合せない突き付け工法で施工する「ナノシームスクリーン」を採用し、これによって継ぎ目の無い美しい映像投映を可能としました。

音響設備は、ドームスクリーン裏に設置した13台のメインスピーカーや、3台の重低音再現スピーカー、環境音なども自然に再現する座席下スピーカーを44台も設置。 コンサートホールのような高品位な音を楽しめます。

各座席は単独座席とし、長時間の観覧にも疲れにくく、ゆったりと星空や映像を楽しめるように、人間工学を取り入れ新規に開発設計しました。 また、家族で楽しめる親子席や車椅子用移動席も新たに設置。高品位な音と共に、プラネタリウムで星や映像を快適に観覧することを可能としました。

同館は直径18.5m傾斜型、144 席。改修にあたっては室内のバリアフリー化を図り、ノンスリップや階段LED照明、車椅子段差解消機、スロープ、手すりなどを新たに設置した。 また、聴覚障がい者用補聴システム導入するなど、利用者の利便性を高めるための配慮もなされています。

上記に加え、今回のリニューアルにあたっては、博物館5階フロアのエントランスの改修も行いました。 同エリアは、宇宙飛行士の視点で地球環境を学べるコーナー「コズミックギャラリー」や天文学習機材を揃え、実験や工作ができるワークショップスペースである「コズミックラウンジ」が設けられており、 来館者が、宇宙空間にある宇宙港「GINGA PORT 4○1」から、宇宙船に乗って宇宙旅行に出かけるかのような雰囲気を醸しだしています。

投映プログラムでは、宇宙から地球を眺めることで、地球規模での環境問題を考えてもらうオリジナル番組「アース・メッセージ」を今回のリニューアルに合わせて制作。 同番組は、ハイブリッド・プラネタリウムの利点を生かした演出によって構成されています。 この他、魅力ある複数のコンテンツ番組や学校向け学習番組なども順次公開予定となっています。

四日市市立博物館

四日市市立博物館は1993 年に開館し、常設展示室と特別展示室に加え最上階の5階に直径18.5m傾斜型ドームのプラネタリウム設備を有しています。 また移動天文車「きらら号」や移動式プラネタリウムを活用したアウトリーチを積極的に行っています。

四日市市立博物館は、「四日市公害と環境未来館」を併設するにあたり、常設展とプラネタリウムを2015 年3月リニューアルしました。プラネタリウムは、地上から見た星空だけでなく、 宇宙から見た地球を見つめることで、四日市公害と環境未来館と連携して地球環境についても学ぶことができ、 港町四日市にちなんで「GINGA PORT 4○1(ギンガポート・よん・まる・いち)」と命名されました。

各座席は単独座席とし、長時間の観覧にも疲れにくく、ゆったりと星空や映像を楽しめるように、人間工学を取り入れ新規に開発設計しました。 また、家族で楽しめる親子席や車椅子用移動席も新たに設置。高品位な音と共に、プラネタリウムで星や映像を快適に観覧することを可能としました。

投映スケジュールの詳細及び交通アクセスについては、同館のHPをご参照ください。
〒510-0075 三重県四日市市安島一丁目3番16号
オフィシャルHP http://www.city.yokkaichi.mie.jp/museum/

解説

[ 株式会社五藤光学研究所(GOTO INC)]
プラネタリウム、大型映像システム、天体望遠鏡製造のトップメーカー。特にプラネタリウムでは小型から超大型のプラネタリウムに至るまで多機種の量産開発を手掛け、現在では1000台を超える納入累計実績があります。 全天周フィルム映像(アストロビジョン)や3Dデジタル映像装置(バーチャリウム)では、他社に先駆けて開発する他、機器設備の能力を活かした映像コンテンツ制作、機器の維持管理、施設運営なども行っています。
〒183-8530 東京都府中市矢崎町四丁目16番地

[ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)]
株式会社五藤光学研究所が2004年に開発、提唱した新しいプラネタリウムシステムです。 光学式プラネタリウムと様々な迫力ある映像を投映する全天周デジタル映像システムを融合させ、各々が常に同じ座標空間を投映できる仕組みを有するものです。 2013 年には、多摩六都科学館に納入した「ケイロンII」が、「最も先進的なプラネタリウム」に認定されるなど、国内外に数多くの実績があります。 同システムには、ドーム径に応じた各種の光学式投映機を有しており、ドーム径8mから最大50mまで幅広く対応している。

[ ケイロンIII]
光学式投映機「ケイロンIII」は、主恒星約9,500個全てに固有の色を付加し、自然で色彩豊かな、美しい星空を提供することができます。 また、天の川は微小な星の集合として再現し、約1億個の恒星によって映し出され、300以上の星雲星団、2000以上の暗黒星雲が含まれています。 さらに、映し出される星空には9個の変光星が含まれており、変光の様子を忠実に再現可能です。 光源にはLEDを採用し、高効率な冷却構造を開発することによって光源の高輝度化、低消費電力化に成功し、新設計の投映光学系と組み合わせることで、 従来機の約半分の電力で、より輝度の高い針で突いたような星空を実現することを可能にしました。

※ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)、バーチャリウム(VIRTUARIUM)、ケイロン(CHIRON)は日本国内における株式会社五藤光学研究所の登録商標です。