2019.04.26 / プレスリリース

松本市教育文化センターのプラネタリウムがリニューアル
13年ぶりに輝く「光学式プラネタリウムの星空」

株式会社五藤光学研究所(取締役社長 五藤信隆、東京都府中市)は、松本市教育文化センター(所長 加藤政彦、長野県松本市)に光学式プラネタリウム「オルフェウス」を納入設置しました。同センターは1983年に開館し、2006年にデジタル式に更新していましたが、13年ぶりに光学式プラネタリウムによる美しい星空が復活しました。「オルフェウス」は天の川を含む800万個の星空を投映するだけでなく、太陽・月・惑星と星座絵を搭載する世界最小クラスの光学式プラネタリウムです。同プラネタリウムに併設されている全天周デジタル映像は、3台の4Kプロジェクタにより、高精細な映像を投映することが可能です。
同センターのプラネタリウムは、2019年4月27日(土)から一般公開されます。

リニューアルの詳細

[ 経緯 ]
松本市教育文化センターは、1983年に光学式プラネタリウムを設置する施設として開館し、松本市民や周辺の方々に長く愛されてきました。2006年に従来からあった光学式プラネタリウムを廃し、デジタル式プラネタリウムを導入しましたが、光学式に対してデジタル式の星空イメージが見劣りすることや、デジタル式の短い耐用年数などから、「教育文化センタープラネタリウム更新検討委員会」の中で、「美しい星空は、実際の宇宙や科学への入り口の第一歩である。デジタル式投映機の進歩はめざましいが、自然に近い美しい星空を投映するには、現状では光学式投映機(プラネタリウム)が必要である」との結論に至り、この要求に応えることの出来る弊社の最新光学式プラネタリウム「オルフェウス」が採用されました。

[ デジタル式と光学式の違い(イメージ) ]
デジタル式投映機は、星空を小さな四角いドットの集まりとして描写します。魚眼レンズで拡大投映された星空は、星が鮮明でなく、明るい星などは大きな丸い点として表現されるうえに、光量が足りず暗い星との差を出すことができません。一方光学式では、一つ一つの星が実際の夜空と同様に光輝く点として表現され、1等星から肉眼で見える6等星まで、教育的に正しい光量差を表現することが可能であることや、天の川も小さな星の集合体で表現されており奥行きのある星空となります。

[ 光学式プラネタリウム「オルフェウス」の特徴 ]
「オルフェウス」は、肉眼で見える6.5等星までの9,500個の星空だけでなく、天の川を800万個の恒星で表現するため、松本市の山奥で見上げることのできる美しい星空を余すことなく再現することができます。また、光学式の太陽、月、惑星や星座絵を投映することができる世界最小クラスのプラネタリウムで、観客の視界を広く確保できるとともに、全天周デジタル映像だけの投映の際には、さらに広い視界を確保できるよう、光学式本体に昇降装置機能を備えています。

松本市教育文化センター内、科学博物館の桐原寧館長は、光学式プラネタリウムについて、
「当センターより自家用車で10kmほど移動したところに美ヶ原の入り口があります。そこでは、真っ暗な空をバックに無数のきらめく星。条件がよければくっきりと天の川も見ることができます。これと同じ世界が当プラネタリウムでも体験できるようになりました。プラネタリウムでの体験が、自然の探究や自然の美しさを味わおうとすることにつなげられるよう、運営したいと思っています。」と語っています。

[ 全天4K解像度の全天周デジタル映像 ]
全天周デジタル映像には、レーザー光源の4Kプロジェクタを3台使用した「ステラドーム・プロ」を採用しています。弊社の光学式プラネタリウム「オルフェウス」と「ステラドーム・プロ」がリンクし、光学式とデジタル式がスムーズに連動するプラネタリウムシステムです。

光学式とデジタル式の連動イメージ

[ 松本市だけのコンテンツ ]
学校利用の多い施設という点を踏まえ、市内の全小中学校及び養護学校の校庭から見た風景55シーンを撮影、装填しました。子どもたちの見慣れた学校風景が映し出されることにより、星空学習への第一歩として方位感覚が掴みやすくなる効果を得ることができます。また、松本市を代表する「松本城」や「上高地」など、市内10か所の全天画像も撮影、装填。初めて施設を訪れた観客への市の紹介のほか、プラネタリウム解説の中で、季節や地域の話題を伝える際のイメージ映像としての活用が期待されています。

[ その他の改修 ]
老朽化した音響機器の更新により6.1chの臨場感あふれる音場を実現したほか、老朽化した座席を従来より幅広くゆったりとした座席に更新。さらに、リクライニングの角度をエリアごとに調整して設置。全てのお客様がゆったり観覧できるようになりました。また、車椅子のまま観覧できるエリアを新たに設けるなどの室内改修をしました。

松本市教育文化センター

松本市教育文化センターは科学博物館と視聴覚センターを備えた施設で、1983年に設立。館内には、プラネタリウム、科学展示室、天体観測室、及びコンピュータ等が設置されており、各種講座や研修などが開催され、子供から大人まで利用される地域の生涯学習拠点として親しまれています。

〒390-0221 長野県松本市里山辺2930番地1
オフィシャルHP https://www.city.matsumoto.nagano.jp/sisetu/kyoiku/syakaikyoiku/index.html

解説

[ 株式会社五藤光学研究所(GOTO INC)]
プラネタリウム、大型映像システム、天体望遠鏡製造のトップメーカー。 特にプラネタリウムでは小型から超大型のプラネタリウムに至るまで多機種を開発し、現在では1000台を超える納入実績(累計)があります。全天周フィルム映像(アストロビジョン)や全天周デジタル映像装置(バーチャリウム)では、他社に先駆けて機器システムを開発する他、機能を活かした映像コンテンツを制作し、機器の維持管理、施設運営なども行っています。

〒183-8530 東京都府中市矢崎町四丁目16番地
オフィシャルHP  https://www.goto.co.jp/

[ オルフェウス(ORPHEUS)]
2017年にリリースした最新型の光学式プラネタリウム。〝緻密で美しい星空〟を提供するだけでなく、太陽や月、惑星、星座絵も投映することができる最新鋭の光学式プラネタリウムです。
1号機を高知みらい科学館、2号機を柏崎市立博物館、3号機を佐久子ども未来館に納入。松本市は4号機となります。

※ オルフェウスは日本国内における五藤光学研究所の登録商標です。

[ ステラドーム・プロ ]
民生用天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲーター(株式会社アストロアーツ 製)」をベースとするプラネタリウム施設向けソフトウェアです。

本件に関するお問い合わせ:  株式会社五藤光学研究所 クリエイティブカンパニー 企画営業 TEL 042-362-5366