2020.10.09 / プレスリリース

京都市青少年科学センターにオリジナルの「オルフェウス・ハイブリッド」を納入
独自の制御技術が多彩な映像表現を実現

株式会社五藤光学研究所(取締役社長:五藤信隆、東京都府中市)は、京都市青少年科学センター(所長:瀬戸口烈司、京都府京都市)に「オルフェウス・ハイブリッド」を納入設置しました。同システムは、京都市のご要望に合わせたオリジナルの機器構成で、“緻密で美しい星空”を再現する光学式プラネタリウム「オルフェウス」と、レーザー光源の最新4Kプロジェクターを採用した2つのデジタル式プラネタリウム(他社製)を融合させたハイブリッドシステムです。
同センターのプラネタリウムは、2020年10月10日(土)から一般公開されます。

リニューアルの詳細

京都市青少年科学センターは、直径16m水平型のプラネタリウム(旧ミノルタカメラ社製「MS-15」)を有し、1969年に開館。プラネタリウムは、これまでに3回の更新を経て、今回の「オルフェウス・ハイブリッド」に至っています。納入したプラネタリウムは、施設のご要望に合わせたオリジナルの機器構成で、「オルフェウス」と2つの「デジタル式プラネタリウム」を組み合わせたハイブリッドシステムです。オリジナルの操作卓により、これまでの生解説を中心としたオリジナル性の高い投映を継承しつつ、より柔軟な空間演出により、多彩な映像表現が可能となりました。さらに、オフラインの番組制作システムの導入により、プラネタリウム番組の自主制作が容易になりました。この他、ドーム内照明や音響設備の更新、ドームスクリーンの張替えなど、ドーム映像空間を一新しました。

R&D主幹の笠原誠は、以下のように述べています。
「京都市青少年科学センターの皆さまの多様な使い方に合わせて、光学式プラネタリウム「オルフェウス」と二つのデジタル式プラネタリウムを、解説する内容に合わせて自由に組み合わせてお使い頂けるよう、新たに当社の「ハイブリッド・プラネタリウム」に用いた技術を応用した統合システムを開発しました。弊社の統合システムでは、コンソールを仮想化することで、オルフェウスと二つのデジタル式プラネタリウムの組合せを、生解説中でも自由に組み替え、光学式、デジタル式共に同じ操作でお使い頂くことができます。」

プラネタリウムを担当する京都市青少年科学センター天文係長の本部勲夫氏は、以下のように述べています。
「光学式の星空は肉眼で見える星が多すぎることもなく自然で、天の川もかなりリアルに感じられるので気に入っています。これと連動するデジタル式は「ステラドーム・プロ」と「スカイエクスプローラー」の2種類を実装し、場面に応じて切り替えることを念頭に制御系を作りこんでもらいました。また、カスタマイズされたメインコンソールに加え、ドーム中央に移動可能なサブコンソールを設置することが実現できたので、これらの特徴を生かして生解説や学習投映等で効果な使い方を追究していきたいと考えています。」

(1)美しい星空
「オルフェウス」は、“緻密で美しい星空”の再現力に長けており、天の川の個別調光などの機能によって、街中で見る星空や、山奥で見るような満天の星空など、見る場所によって異なる星空の情景をリアルに再現することができます。また、光学式の星座絵を投映する機能のほか、朝夕焼け薄明薄暮、座標系などの投映機を実装しており、学習投映や星空解説に必要な各種機能を備えています。

<主な仕様>

  • 恒星は6.55等級までの約9500個
  • 天の川は800万個の恒星の集まりで再現(主恒星とは個別に調光可能)
  • 月食をも超高精細に投影する月投映機
  • 恒星球の直径は48㎝とコンパクト

(2)臨場感あふれるドーム映像空間
最新の高精細4Kレーザーのビデオプロジェクター2台に自社で設計した専用レンズを装着し、ドーム全天に繋ぎ目無く美しい映像を投映します。「ステラドーム・プロ」と、「スカイエクスプローラー」の2つのデジタル式プラネタリウムを実装し、場面に応じて切り替えることで臨場感あふれる多彩な演出を実現します。また、京都市内の主要な名所を撮影した全球画像や全天動画、スカイラインも多数装填されており、多目的な利用にも対応しています。さらに、音響設備、演出照明設備も一新され、迫力のある立体的な音と光、そして映像が一体となって臨場感あふれるドーム映像が楽しめるようになりました。

(3)生解説と学習投映に適した操作性
施設のご要望に応じてカスタマイズされたオリジナル仕様のメインのコンソールと、対面投映を実現するサブコンソールを設置しました。サブコンソールは、ドーム中央の機器保護サークル内にビルトインされており、必要に応じて、引き出して移動しながら投映することができるもので、学習投映や生解説などでの対面投映に適しています。必要最小限のボタンやボリウムを有し、タッチパネル式のリモート端末と併用してドーム室内中央付近から本格的な学習投映を行うことができます。
また、暗闇で星空を見ながらメモを取れるように設置した学習用照明は、コンソールから照射エリアと明るさをコントロールできるようにしています。特殊な座席配置(馬蹄配列)に対応するため、着席状況に応じて必要なエリアだけを照射することができます。

京都市青少年科学センター

京都市青少年科学センター(所長:瀬戸口烈司、京都府京都市)は、1969年(昭和44年)に、京都市の科学教育・理科教育の中核として、全国に先駆けて設立された教育施設です。同センターは、100点を超える体験型の展示の他、子供たちに宇宙や天文の不思議に付いて興味を持ってもらうためのプラネタリウムを併設し、楽しみながら理科・科学を学べる「科学館」として親しまれています。

〒612-0031 京都市伏見区深草池ノ内町13番地
オフィシャルHP http://www.edu.city.kyoto.jp/science/

※ 投映開始時刻、投映内容、定員、観覧の方法などは、同センターHPをご参照ください。

解説

[ 株式会社五藤光学研究所(GOTO INC)]
プラネタリウム、大型映像システム、天体望遠鏡製造のトップメーカー。 特にプラネタリウムでは小型から超大型のプラネタリウムに至るまで多機種を開発し、現在では1000台を超える納入実績(累計)があります。全天周フィルム映像(アストロビジョン)や全天周デジタル映像装置(バーチャリウム)では、他社に先駆けて機器システムを開発する他、機能を活かした映像コンテンツを制作し、機器の維持管理、施設運営なども行っています。
〒183-8530 東京都府中市矢崎町四丁目16番地
オフィシャルHP  https://www.goto.co.jp/

[ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)]
株式会社五藤光学研究所が2004年に開発、提唱した新しいプラネタリウムシステムです。光学式プラネタリウムと様々な迫力ある映像を投映する全天周デジタル映像システムを融合させ、各々が常に同じ座標空間を投映できる仕組みを有するもので、日本国内に留まらず、プラネタリウム発祥の地であるドイツをはじめ、米国、欧州、中東、アジア諸国などに数多くの納入実績を誇ります。
同システムは、ドーム径に応じた各種の光学式投映機を有しており、ドーム径8mから最大50mまで幅広く対応しています。

[ オルフェウス(ORPHEUS)]
「オルフェウス」は、2017年にリリースした光学式プラネタリウムで、これまでに高知みらい科学館(高知県)、柏崎市立博物館(新潟県)、佐久子ども未来館(長野県)、松本市教育文化センター(長野県)、ビョルマロ天文台(韓国)、港区立みなと科学館(東京都)、米子市児童文化センター(鳥取県)への納入実績があります。

[ ステラドーム・プロ ]
「ステラドーム・プロ」は、株式会社アストロアーツが開発した民生用天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲーター」をベースとしたプラネタリウム施設向けソフトウェアで、これまでに、松本市教育文化センターへの納入実績があります。

[ スカイエクスプローラー ]
「スカイエクスプローラー」は、デジタル式プラネタリウムのメーカーであるRSA Cosmos(本社:フランス)が、開発した独自のソフトウェアで、これまでに、安城市文化センターへの納入実績があります。

※ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)、バーチャリウム(VIRTUARIUM)、オルフェウス(ORPHEUS)は、日本国内における株式会社五藤光学研究所の登録商標です。

本件に関するお問い合わせ:  株式会社五藤光学研究所 クリエイティブカンパニー 企画営業 TEL 042-362-5366