2022.03.01 / プレスリリース

浜松科学館のプラネタリウムがリニューアル
天の川を約1億個の微恒星で再現する「ケイロンⅢ・ハイブリッド」に一新

株式会社五藤光学研究所(取締役社長 五藤信隆、東京都府中市)は、浜松科学館 (名誉館長 天野浩、静岡県浜松市)に「ケイロンⅢ・ハイブリッド」を納入設置しました。同システムは、天の川を約1億個の微恒星で再現する光学式投映機「ケイロンⅢ」と、デュアルプロジェクション方式により明るさを増した全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」を融合した「ハイブリッド・プラネタリウム」です。直径20m(静岡県内最大)の傾斜ドームスクリーンに、リアルで美しい星空と明るく高精細なデジタル映像を映し出すプラネタリウムに生まれ変わりました。
同科学館は、2022年3月1日(火)から一般公開されます。


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リニューアルの詳細

浜松科学館は、直径20m傾斜型のプラネタリウム(他社製)を有する社会教育施設として1986年に開館。プラネタリウムの星空ライブ解説と、臨場感ある大型映像が、機器の老朽化にともなう幾度かの部分更新を経ながらも長年市民に親しまれてきました。
今回のリニューアルでは “リアリティある感動の星空を届けたい。”という施設の想いに応えるべく「ケイロンⅢ・ハイブリッド」を納入。最新のプラネタリウムシステムに生まれ変わりました。光学式投映機「ケイロンⅢ」と最新の全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」を融合した「ハイブリッド・プラネタリウム」が、季節を感じる美しい星空と明るく高精細な全天映像、そしてライブ解説に欠かせない優れた操作性によって、浜松科学館の星空解説の魅力をより一層際立たせます。

プラネタリウムを担当する天文スタッフの雨森勇一氏は、以下のように述べています。
『ケイロンⅢは約1億個の恒星数が取り上げられがちですが、星像がとてもシャープで非常に美しく見ることができます。それによって星空の奥行き感が増し、ドーム径が大きくなったのかと錯覚を覚えたほどです。全天周デジタルのプロジェクターは、明るさや発色が向上しリアルな宇宙、大迫力な映像が投映できます。利用者目線も運営目線も満足度が高く、この感動をお客様にも体験していただきたいと思っています。』

[ オリジナルデザインの光学式投映機「ケイロンⅢ」 ]

納入した「ケイロンⅢ」は、浜松の名産であるミカンをイメージしたオリジナルデザインであり、より本物に近い自然で美しい星空を追求した光学式プラネタリウムです。明るくシャープな主恒星は、3.5等級よりも明るい約300個の恒星に固有の色が付加され、約1億個の微恒星で描かれる天の川には、300以上の星雲星団、2000以上の暗黒星雲をリアルに再現しています。さらに、季節や天候などにより異なる星の瞬きや、暮れなずむ空に輝き始める星々を、独自の調光機能で、これまでにないほど自然に再現します。
また、星空解説に必要な風景や、星座絵、星座線などのデジタル映像も、手動操作を考え抜いたハイブリッドコンソールによって、「ケイロンⅢ」の美しい星空と融合させながら自在に投映操作できるハイブリッドシステムとなっています。

<主な仕様>

  • オリジナルデザインの本体(特別仕様)
  • 約1億個の微恒星で描かれる高精細な天の川
  • 300以上の星雲星団、2000以上の暗黒星雲の再現
  • 3.5等級よりも明るい約300個の恒星の固有色を忠実に再現
  • 6.5等星までの星の等級差を自由に調整する等級差可変機能を搭載
  • 朝夕焼け、薄明薄暮、青光、昼光の各投映機を本体に同架
  • デジタル映像との連動(ハイブリッド対応)

[ 明るく高精細な全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」 ]

全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」は、光源にレーザー光を用いた4Kプロジェクターに自社で設計した専用レンズを装着し、ドーム全天に映像を繋ぎ目無く投映します。さらに、直径20mの大面積のスクリーンに必要な明るさを確保するため、4台のプロジェクターを用いるデュアルプロジェクションシステムを採用。2分割の投映範囲を各々2台のプロジェクターで投映し、映像を正確に重ね合わせることで明るさを倍増させた高精細映像を実現しています。
デジタルプラネタリウムの機能も搭載し、88種類の星座絵や星座線、惑星やメシエ天体などの各種画像を投映することは勿論、天文学が明らかにした宇宙の果てまでの各種データも装填され、恒星間飛行、銀河団飛行、宇宙空間から見る太陽系の惑星運行、日月食などの天文現象をわかり易く再現できる機能も有しています。

<主な仕様>

  • 光学式の星空を補完するデジタルプラネタリウム機能や各種シミュレーション機能を搭載
  • 高精細な地形データを実装し、浜松市上空を俯瞰しながら宇宙への視点移動、さらには138億光年の深宇宙の姿まで投映可能

浜松科学館

浜松科学館は青少年の「科学する心」を育む施設として1986年に開館。静岡県最大となるドーム直径20mの大型プラネタリウムと体験型の展示が市民に親しまれています。2015年には、ノーベル物理学賞を受賞した天野浩(浜松市出身)が名誉館長に就任し、受賞を記念する常設展示が設けられているほか、サイエンスショーやワークショップ、全編ライブ解説のプラネタリウム投映などが人気の社会教育施設です。

〒430-0923 静岡県浜松市中区北寺島町256番地の3
オフィシャルHP  https://www.mirai-ra.jp/

解説

[ 株式会社五藤光学研究所(GOTO INC)]
プラネタリウム、大型映像システム、天体望遠鏡製造のトップメーカー。 特にプラネタリウムでは小型から超大型のプラネタリウムに至るまで多機種を開発し、現在では1000台を超える納入実績(累計)があります。全天周フィルム映像(アストロビジョン)や全天周デジタル映像装置(バーチャリウム)では、他社に先駆けて機器システムを開発する他、機能を活かした映像コンテンツを制作し、機器の維持管理、施設運営なども行っています。

〒183-8530 東京都府中市矢崎町四丁目16番地
オフィシャルHP  https://www.goto.co.jp/

[ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)]
株式会社五藤光学研究所が2004年に開発、提唱した新しいプラネタリウムシステムです。光学式プラネタリウムと様々な迫力ある映像を投映する全天周デジタル映像システムを融合させ、各々が常に同じ座標空間を投映できる仕組みを有するもので、日本国内に留まらず、プラネタリウム発祥の地であるドイツをはじめ、米国、欧州、中東、アジア諸国などに数多くの納入実績を誇ります。
同システムは、ドーム径に応じた各種の光学式投映機を有しており、ドーム径4mから最大50mまで幅広く対応しています。

[ ケイロンⅢ(CHIRONⅢ)]
ドーム直径16~30ⅿの中・大型ドーム向けの光学式プラネタリウム。明るくシャープな星像で、色彩豊かな自然で美しい星空を提供することができる他、約1億個の微恒星で描かれる天の川を恒星とは個別に調光できるなど、多彩な機能によって幅広い用途に応じた星空の再現ができます。「ケイロンⅢ」は、これまでに札幌市青少年科学館(北海道)、さいたま市宇宙劇場(埼玉県)、大崎生涯学習センター(宮城県)、府中市郷土の森博物館(東京都)、安城市文化センター(愛知県)、倉敷科学センター(岡山県)、さぬきこどもの国(香川県)に納入。今後も、国内外への納入が予定されています。

※ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)、ケイロン(CHIRON)、バーチャリウム(VIRTUARIUM)は日本国内における株式会社五藤光学研究所の登録商標です。

本件に関するお問い合わせ:  株式会社五藤光学研究所 クリエイティブカンパニー 企画営業 TEL 042-362-5366