2022.04.22 / プレスリリース

みえこどもの城のドームシアターがリニューアル
美しい星空と大迫力の全天映像を投映する「ケイロンⅢ・ハイブリッド」に一新

株式会社五藤光学研究所(取締役社長 五藤信隆、東京都府中市)は、三重県立みえこどもの城 (理事長 福田圭司、三重県松阪市)に「ケイロンⅢ・ハイブリッド」を納入設置しました。同システムは、天の川を約1億個の微恒星で再現する光学式投映機「ケイロンⅢ」と、レーザー光源の4Kプロジェクターを採用した全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」を融合した「ハイブリッド・プラネタリウム」です。プラネタリウムの待合空間となるホワイエもリニューアルし、美しい星空とともにワクワクするドームシアターに生まれ変わりました。
同館は、2022年4月23日(土)から一般公開されます。


リニューアルの詳細

[ 経緯・概要 ]

三重県立みえこどもの城は、光学式プラネタリウム(他社製)を有する県立の大型児童館として1989年に開館し、2009年に、全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ(五藤光学製)」を導入したプラネタリウムシステムに更新。年間20万人以上もの来館者が訪れる施設です。30年以上が経過し、感染症防止対策やバリアフリー化を踏まえ、時代に即した子どもの学びの機会確保などを目的として、室内の内装改修と光学式プラネタリウムやデジタル映像システムの機器更新を含む大規模改修が行われました。
同館のプラネタリウムは県内最大のドーム直径22mを有しています。今回のリニューアルにより、プラネタリウムシステムを「ケイロンⅢ・ハイブリッド」に更新し、リアルで美しい星空と高精細で迫力あるデジタル映像がドーム全天に拡がる「ハイブリッド・プラネタリウム」に生まれ変わりました。さらに、ゆったり観覧できるカラフルなリクライニングシートに更新するなど、ドーム内のイメージも一新しています。

[ 機器の詳細 ]

光学式投映機「ケイロンⅢ」
「ケイロンⅢ」は、より本物に近い自然で美しい星空を追求した光学式プラネタリウムで、明るくシャープな星像を投映します。肉眼で見ることのできる約9,500個の主恒星は、3.5等級よりも明るい約300個の恒星に固有の色が付加され、約1億個の微恒星で描かれる天の川には、300以上の星雲星団、2000以上の暗黒星雲をリアルに再現しています。さらに、思い通りの星空を再現できる充実した調光機能も有し、季節や天候など様々な要因によって異なる星の瞬きも再現します。
また、星空解説に必要な風景や、星座絵、星座線などのデジタル映像も、手動操作を考え抜いたハイブリッドコンソールによって、「ケイロンⅢ」の美しい星空と融合させながら自在に投映操作できるハイブリッドシステムとなっています。

<主な仕様>

  • 約1億個の微恒星で描かれる高精細な天の川
  • 300以上の星雲星団、2000以上の暗黒星雲の再現
  • 3.5等級よりも明るい約300個の恒星の固有色を忠実に再現
  • 6.5等星までの星の等級差を自由に調整する等級差可変能を搭載
  • デジタル映像との連動(ハイブリッド対応)

明るく高精細な全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」
全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」は、光源にレーザー光を用いた4Kプロジェクター2台をドームスクリーン周囲に設置。自社設計の専用レンズにより、全天4K×4Kの映像をスクリーンに繋ぎ目無く投映します。
デジタルプラネタリウム機能も搭載し、88種類の星座絵や星座線、惑星やメシエ天体などの各種画像を投映することは勿論、天文学が明らかにした宇宙の果てまでの各種データも装填され、恒星間飛行、銀河団飛行、宇宙空間から見る太陽系の惑星運行、日月食などの天文現象をわかり易く再現できる機能も有しています。

<主な仕様>

  • 光学式の星空を補完するデジタルプラネタリウム機能や各種シミュレーション機能を搭載
  • 高精細な地形データを実装し、松阪市上空を俯瞰しながら宇宙への視点移動、さらには138億光年の深宇宙の姿まで投映可能

[ 改修の詳細 ]

今回の改修では、全ての利用者にとって「安心できる空間」となるよう、抗菌・抗ウィルスコーティングによる感染対策とバリアフリー化を図るとともに、座席を一新したうえで、親子シートや授乳室などを設置し、利用者にとって「快適な空間」となるよう配慮しています。

カラフルなシートが出迎えるドーム空間
カラフルなリクライニングシートと親子シートが出迎えるドーム空間です。隣の人と肘掛けを共有することが無い両肘掛けの単独リクライニングシートを採用しています。車いすスペースを拡充したり、階段LED照明を設置して、これまでよりもバリアフリーに配慮しています。また、手が触れる手すりや壁面は抗菌作用の高い材料を使用するなど、これまで以上に人に優しい空間に生まれ変わりました。

<ドーム内の主な改修>

  • 床及び手すりの改修(抗ウイルス・抗菌化対応)
  • 階段LED照明を設置(既設誘導灯はLED使用の灯具に交換)
  • 車いすスペースの拡張
  • 学習投映灯の設置及び各種照明機器の更新
  • 座席と座席の間を確保した両肘掛けの単独リクライニングシートに更新
  • 「こどもの城」をイメージしたカラフルな一般席と親子シートを設置

利用者が「ワクワクする」待合空間
プラネタリウムの待合空間となるホワイエでは、車いす用昇降装置や授乳室、ベビーカー置場を新設するなど、みえこどもの城ならではの工夫がされています。また、来館者が視覚的に分かりやすいサインを設け、投映時間やイベントの案内を行うことができるデジタルサイネージを設置しました。

<ホワイエの主な改修>

  • 車いす昇降機の新設
  • 床、階段、手すりの抗菌化
  • 授乳室、ベビーカー置き場の新設

三重県立みえこどもの城

画像提供:三重県立みえこどもの城

三重県立みえこどもの城は、1989年(平成元年)、三重県中央部に位置する松阪市の中部台運動公園に三重県が設置したプラネタリウムを有する「大型児童館」です。児童の健全な遊び場の確保、健康増進、情操を高めることを目的として、現在に至るまで、年間20万人以上の来館者でにぎわう遊びと体験と交流の「こどもの城」です。子どもの成長を応援し、子どもと子育て家庭に優しく、人と人とが温かくつながる地域社会づくりに貢献している施設として、親しまれています。

〒515-0054 三重県松阪市立野町1291 中部台運動公園内
オフィシャルHP  https://www.mie-cc.or.jp/map/

解説

[ 株式会社五藤光学研究所(GOTO INC)]
プラネタリウム、大型映像システム、天体望遠鏡製造のトップメーカー。 特にプラネタリウムでは小型から超大型のプラネタリウムに至るまで多機種を開発し、現在では1000台を超える納入実績(累計)があります。全天周フィルム映像(アストロビジョン)や全天周デジタル映像装置(バーチャリウム)では、他社に先駆けて機器システムを開発する他、機能を活かした映像コンテンツを制作し、機器の維持管理、施設運営なども行っています。

〒183-8530 東京都府中市矢崎町四丁目16番地
オフィシャルHP  https://www.goto.co.jp/

[ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)]
株式会社五藤光学研究所が2004年に開発、提唱した新しいプラネタリウムシステムです。光学式プラネタリウムと様々な迫力ある映像を投映する全天周デジタル映像システムを融合させ、各々が常に同じ座標空間を投映できる仕組みを有するもので、日本国内に留まらず、プラネタリウム発祥の地であるドイツをはじめ、米国、欧州、中東、アジア諸国などに数多くの納入実績を誇ります。
同システムは、ドーム径に応じた各種の光学式投映機を有しており、ドーム径4mから最大50mまで幅広く対応しています。

[ ケイロンⅢ(CHIRONⅢ)]
ドーム直径16~30ⅿの中・大型ドーム向けの光学式プラネタリウム。明るくシャープな星像で、色彩豊かな自然で美しい星空を提供することができる他、約1億個の微恒星で描かれる天の川を恒星とは個別に調光できるなど、多彩な機能によって幅広い用途に応じた星空の再現ができます。「ケイロンⅢ」は、これまでに札幌市青少年科学館(北海道)、さいたま市宇宙劇場(埼玉県)、大崎生涯学習センター(宮城県)、府中市郷土の森博物館(東京都)、安城市文化センター(愛知県)、倉敷科学センター(岡山県)、さぬきこどもの国(香川県)、浜松科学館(静岡県)に納入。今後も、国内外への納入が予定されています。

※ ハイブリッド・プラネタリウム(HYBRID PLANETARIUM)、ケイロン(CHIRON)、バーチャリウム(VIRTUARIUM)は日本国内における株式会社五藤光学研究所の登録商標です。

本件に関するお問い合わせ:  株式会社五藤光学研究所 クリエイティブカンパニー 企画営業 TEL 042-362-5366