2023.07.21 / プレスリリース

JX金属 関崎みらい海星館にプラネタリウムを新設
県内最大口径の大型望遠鏡にリニューアル

株式会社五藤光学研究所(取締役社長 五藤 信隆、東京都府中市)は、JX金属 関崎みらい海星館(館長 川田 政昭、大分県大分市)に全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」と「口径83cm反射望遠鏡」を納入設置しました。
「バーチャリウムⅡ」は、地上で見る星空から宇宙の果てまでを再現できるデジタルプラネタリウムであり、「口径83cm反射望遠鏡(県内最大口径)」は、各種天体の撮影を行うだけでなく、同架したサブ望遠鏡により太陽像を撮影することができます。さらに、これらの望遠鏡の撮影画像や同館屋上に設置した高感度全天カメラの映像をリアルタイムにドームスクリーンに投映することも可能です。
同館は2023 年7 月21日(金)より一般公開されます。


リニューアルの詳細

[ 施設の概略と経緯 ]

関崎海星館は、海洋及び天文に関する学習の場を提供し、市民の知識及び教養の向上を図ることを目的に1995年(平成7年)に開館。26年が経過し建物等の老朽化に伴い今回の改修に至りました。改修にあたっては、展示・天文学習機能を向上させ、より魅力のある施設にするために、新たにプラネタリウム設備を加えることとなった他、従来からある天体望遠鏡を更新することとなり、何れも公募型プロポーザルにより弊社の提案が採用されました。その後、2023年6月15日、ネーミングライツにより施設の名称がJX金属 関崎みらい海星館となりました。

[ 納入した機器について ]

納入設置した全天周デジタル映像システムと望遠鏡システムは、それぞれを単独に運用するだけでなく、より多くの方に安全に、そして安心してご利用いただくために、プラネタリウムの中から望遠鏡を操作し、その映像をリアルタイムでドームスクリーンに映し出すことが出来ます。天文台とプラネタリウムが連動する〝リアルとバーチャルが融合〟した日本に例がないシステムです。

JX金属 関崎みらい海星館の館長 川田政昭氏は、以下のように述べています。
「大分県最大口径の天体望遠鏡とデジタルプラネタリウムの他、大分県初となる6mモバイルプラネタリウムも導入しました。工事休館中、モバイルプラネタリウムを活用したアウトリーチ活動では大好評を頂き、多くの皆様に期待されていると実感しています。また、メーカーを揃える(共に五藤光学研究所製)ことで、性能を十分に発揮できるものと確信しています。今後は利用者に宇宙や海洋、科学や自然に興味関心を深めてもらえる施設となるよう企画運営したいと考えています。」

全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ(Release7)」
全天周デジタル映像システム「バーチャリウムⅡ」はCanon社製4Kプロジェクターに自社で設計したレンズを組み合わせ、ドーム全天に映像を映し出す単眼式のデジタルプラネタリウムです。88種類の星座絵や星座線、惑星やメシエ天体などの各種画像を投映することは勿論、天文学の各種データにより、宇宙の大規模構造や宇宙空間から見る太陽系惑星の運動、あるいは日月食などの天文現象を再現する機能も有しています。また、学習利用を行いやすくするために、大分市街地や市内小学校54校の校庭から見た風景映像を実装し、方位をわかりやすくする工夫もなされています。

<主な仕様>

  • 88種類の星座絵や星座線、惑星やメシエ天体などの各種画像の投映
  • 太陽系の惑星運行などの各種シミュレーション機能を搭載
  • 高精細な地形データを実装し、大分市上空を俯瞰しながら宇宙への視点移動、さらには138億光年の深宇宙の姿まで投映可能

口径83cm反射望遠鏡システム
メインとなる県内最大口径の83cmの反射望遠鏡は、リッチークレチアン光学系を採用。カーボン素材によって熱膨張を抑制し、大口径でありながら安定した観測を可能としています。また、Hα線やCaK線太陽望遠鏡を同架しています。
この望遠鏡システムは、プラネタリウムドーム内からも制御することが可能となっており、プラネタリウムの投映中に望遠鏡を操作し(同架する望遠鏡も含めて)、そこで得られる画像をドームに投映することが出来る最新の天体望遠鏡システムです。

<主な仕様>

  • 口径:83cmリッチークレチアン光学系(合成焦点8000mm)
  • 補正:F6.8補正レンズ、フラットナーレンズ
  • 接眼延長装置:ワンダーアイ
  • 同架望遠鏡:太陽Hα及び太陽CaK望遠鏡、太陽スペクル観測装置など
  • その他:人工衛星追尾システムなど

その他
プラネタリウム(全天周デジタル映像システム)用に6mの傾斜型ドームを新設した他、座席、ドーム内照明や音響システム、番組コンテンツや映像素材なども納入しました。座席はすべて移動することができ、ドーム内の多目的利用にも工夫を凝らしています。また、市内の小中学校などに出向いて星空学習ができるよう6mエアドームによる移動式プラネタリウムも納入しました。さらに、同館屋上に高感度全天カメラを設置し、撮影した映像を全天周デジタル映像システムによりプラネタリウムのドームスクリーンにリアルタイムで投映できるようにしました。

JX金属 関崎みらい海星館

JX金属関崎みらい海星館(旧 大分市関崎海星館)は、旧佐賀関町の観光施設として、1995年4月に開館。その後の市町村合併により大分市の生涯学習施設となり現在に至っています。日豊海岸国定公園内に立地し、300度の海のパノラマを望むことができ、自然豊かで星空環境にも恵まれた大分県内で人気の施設です。2023年7月にリニューアルし、県内最大口径となるの反射望遠鏡と新設されたプラネタリウムが楽しめます。プラネタリウムの投映や観望会などは施設ホームページでご確認下さい。
※ 2023年6月15日、JX金属株式会社がネーミングライツ・パートナー企業として選定されました。

〒879-2201 大分県大分市佐賀関4057-419
オフィシャルHP  https://kaiseikan.jp/

解説

[ 株式会社五藤光学研究所(GOTO INC)]
プラネタリウム、大型映像システム、天体望遠鏡製造のトップメーカー。 特にプラネタリウムでは小型から超大型のプラネタリウムに至るまで多機種を開発し、現在では1000台を超える納入実績(累計)があります。全天周フィルム映像(アストロビジョン)や全天周デジタル映像装置(バーチャリウム)では、他社に先駆けて機器システムを開発する他、機能を活かした映像コンテンツを制作し、機器の維持管理、施設運営なども行っています。

〒183-8530 東京都府中市矢崎町四丁目16番地
オフィシャルHP  http://xs536207.xsrv.jp/wordpress/

[ バーチャリウム(VIRTUARIUM)]
「バーチャリウム」は、1996年に五藤光学研究所が発表した、世界で初めて3次元CGをリアルタイムにドーム全天に投映するシステム。バーチャリウム(VIRTUARIUM)とは、仮想(Virtual)と、空間(Arium)を組み合わせた造語です。プラネタリウムだけでなく、様々な空間を表現する「時空を越える」映像システムであり、2003年(平成15年)にはより高機能な「バーチャリウムⅡ」が誕生。現在、最新の観測に基づく宇宙の最新データや高精細な地形データなどを搭載した「バーチャリウムⅡ(Release7)」に至っています。

※ バーチャリウム(VIRTUARIUM)は日本国内における株式会社五藤光学研究所の登録商標です。

本件に関するお問い合わせ:  株式会社五藤光学研究所 営業本部 企画営業 TEL 042-362-5366